登山口で入山料支払いと「富士山テスト」導入 静岡側で山開き

2025/07/10 11:20 

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 富士山の静岡県側の登山道が10日、山開きを迎えて開通した。無謀な登山が問題になる中、昨年の山梨県側に続き、静岡側でも規制を始めた。スマートフォンアプリを使った登録制となり、入山料4000円の支払いと登山ルールの学習が義務付けられた。「富士山テスト」にも合格する必要がある。

 静岡側には富士宮、須走(すばしり)、御殿場の3ルートがある。県は5月、富士登山条例を施行して学習制度などを導入。午後2時~翌午前3時は山小屋宿泊者を除き入山できなくした。

 登山希望者は、アプリ「静岡県FUJI NAVI」で個人情報の登録や学習、富士山テストの受験を済ませ、入山料を支払う。登山口で確認される入山証もアプリで発行される。登山口でも手続きできる。

 山小屋泊か日帰りかといった日程や往復ルート、交通手段を登録するため、夜通しで登る「弾丸登山」のような無計画な登山は減る見込みだ。

 標高約2400メートルの富士宮ルート5合目の登山口では10日、入山証を発行する受付に外国人を中心とする列ができていた。JR富士宮駅を出発した今季初の登山バスには約70人が乗車。富士山本宮浅間大社(富士宮市)で安全祈願を受けた。ポルトガルから来た男性(60)は「山を登るのにこんな見送られ方は初めて。日本ならではの経験ができてうれしい」と何枚も写真を撮っていた。浜松市の島津昌弘さん(78)は開山日に合わせて登山している。入山規制に「余裕をもった計画を立てられた」と話した。【藤渕志保】

毎日新聞

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