宝塚歌劇団と元演出家が和解 ハラスメント断定のHP文書を削除

2025/07/10 20:43 

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 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)から事実無根のハラスメントを理由に退職を強要されたとして、元演出家の原田諒さん(43)が従業員としての地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟があり、神戸地裁で9日、和解が成立した。歌劇団は原田さんの退職を取り消し、今年6月30日付での退団とすることで合意。この間の未払い賃金分などに相当する1550万円を支払う。また、ハラスメントがあった前提で記載されたホームページ上の文書を削除し、説明文を掲示した。

 訴状などによると、歌劇団は2022年11月に演出助手から原田さんによるハラスメント被害の申告を受けた。木場健之理事長(当時)らは、原田さんに「自主退職すれば懲戒処分を受けず、週刊誌に記事が掲載されることもない」と説明。事実関係を十分に調査しないまま退職を迫り、精神的に追い詰められた原田さんは、同年12月に退職届を提出した。同月末に原田さんに関する記事が週刊誌に掲載されると、公式ホームページに「ハラスメントを行った団員は既に退職しており」と、ハラスメントがあったことを断定する文書を掲示した。

 歌劇団は10日、ホームページの文書を削除するとともに、削除したことを説明する文書を掲示。削除理由については、守秘義務に基づき非開示とした。【水津聡子】

毎日新聞

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