生きた証し ICAN、原爆で犠牲となった子どもの追悼サイト開設

2025/07/11 13:30 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 核廃絶に取り組む国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」は、広島と長崎で原爆の犠牲になった子どもたちを追悼する特設のウェブサイト「Children’s Peace Memorial(子ども平和メモリアル)」を開設した。略歴や遺影、被爆の状況など400人以上の生涯を英語で紹介し、核兵器の非人道性を世界に訴える。

 ICANは、核兵器禁止条約が2017年に国連で成立したことに貢献し、この年のノーベル平和賞を受賞した。24年には「核兵器が子どもたちに与える影響」と題した報告書を公表し、熱線や爆風、放射線による影響など、心身への被害は大人に比べて甚大だと指摘した。

 報告書に呼応する形で、被爆80年の今夏を目指して特設サイトの立ち上げを準備していた。広島、長崎両市の原爆資料館や学校関係者、国内の報道機関などが協力し、7月1日の公開時点で、犠牲になった少年少女429人を掲載した。

 米軍が広島、長崎両市で投下した原爆により死亡した子どもは、3万8000人以上と推計される。ICANの担当者は「統計ではなく一人一人の『生きた証し』に焦点を当てることで、核兵器が使用されたら何が起きるのかを伝えたい」と特設サイトの趣旨を説明する。サイトへ掲載する子どもは今後も増やすという。【宇城昇】

毎日新聞

社会

社会一覧>