防衛省職員が同僚にセクハラ、国に250万円賠償命令 個人責任は否定

2025/07/11 16:46 

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 防衛省の男性職員からセクハラを受けたとして、同僚だった女性職員が国と男性に計600万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(一場康宏裁判長)は11日、セクハラ行為があったと認定し、国に250万円の支払いを命じた。男性個人への請求は「セクハラは職務に付随する行為だった」として棄却した。

 判決によると、2人は2020年4月から約1年間、防衛省内の同じ部署で働いていた。男性は勤務中に女性の二の腕や下半身をもむといったセクハラ行為を繰り返し、休日に一緒に出かけた際にも女性に抱きついた。女性は22年に適応障害を発症した。

 判決は、女性が休日の外出を断らなかったのは職場での関係悪化を考慮したためだと指摘。男性が女性に抱きついたことも職務に付随した行為で、国家賠償法が職務上の行為について公務員個人ではなく国などが賠償責任を負うと規定していることから、男性に賠償責任はないと判断した。

 防衛省は「判決内容を慎重に検討し、関係機関と十分調整の上、適切に対応する。隊員の意識改革や事案の迅速な解決体制の構築などの実効性あるハラスメント防止対策を通じて、ハラスメントを一切許容しない環境を構築していく」とコメントした。【安元久美子】

毎日新聞

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