人工呼吸器を外し7歳娘殺害 母親が起訴内容認める 福岡地裁

2025/07/11 19:28 

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 福岡市の自宅で1月、障害がある長女(当時7歳)の人工呼吸器を取り外して窒息死させたとして、殺人罪に問われた母親で無職の福崎純子被告(45)は11日、福岡地裁(井野憲司裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述などで、長女は出生時から人工呼吸器が不可欠な遺伝性の難病で、福崎被告が昼夜を問わず、介護に専念していたと説明。しかし、娘の治療の話をしている際に親族から「意味があるのか」と言われたり、事件2日前に夫に介護の手伝いを頼んだ時に舌打ちされたりしたことから、被告は「私と娘はいらない存在」と考え、無理心中を決意したと主張。アラームが鳴らないように設定して人工呼吸器を取り外し、睡眠薬を大量に服用して自殺を図ったと述べた。

 弁護側は「被告は自宅で娘を介護する中、強い孤独感と疎外感があった」として情状酌量を求めた。証人として出廷した夫は「妻に介護を任せきりで負担をかけた。妻を刑務所に入れたくない」と語り、執行猶予付き判決を求めた。

 起訴状によると、福崎被告は1月5日午後2時45分ごろ、福岡市博多区の自宅マンションで、ベッドにいた長女の心菜(ここな)さんの首に挿入された人工呼吸器を取り外して殺害したとしている。【森永亨】

毎日新聞

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