釧路・メガソーラー計画 森林法違反で道が中止勧告 区域外は継続

2025/09/03 10:12 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 北海道の釧路湿原国立公園に近い釧路市郊外の民有地で大阪市の事業者が進める大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画を巡り、道は2日、森林区域で必要な許可を得ずに開発を行う森林法違反が確認されたとして工事中止を口頭で勧告した。森林でない区域は事業が継続する。

 道によると、計画では開発面積4・3ヘクタールに、森林0・3ヘクタールが含まれる予定だったが、8月29日に釧路総合振興局と釧路市が現地をGPS測量したところ、工事が行われている林地は0・86ヘクタールだった。0・5ヘクタールを超えて太陽光発電設備を設置する場合は森林法に基づく都道府県の林地開発許可が必要だが、業者は申請していなかった。

 業者は違法行為について「錯誤した。元々やろうとしていたところからはみ出して木を切り、盛り土した」と説明。森林区域での工事を中止する意向を示している。道は近く、業者に中止勧告の文書を送り、違法行為に至った経緯や今後の対応を聞き取る。その後、文書で厳重注意する。

 計画では釧路市北斗の民有地4・3ヘクタールにソーラーパネル6600枚を設置し、年内に稼働させる。事業地近くには国の特別天然記念物タンチョウなどが飛来し、工事の影響が懸念されている。

 道内では今年、倶知安町で森林法などに反する開発行為が発覚。道は7月以降、必要な許可を受けていない開発行為がないか調査している。【片野裕之】

毎日新聞

社会

社会一覧>