成田空港拡張で全戸が移転対象に 千葉・一鍬田地区で地域資料の調査
2029年3月完成を目指す成田空港C滑走路(3500メートル)などの用地に含まれ、全戸が移転対象となった千葉県多古町の一鍬田(ひとくわだ)地区で8月末、集会所に保存されている江戸時代などの地域資料の調査があった。
実施したのは、空港拡張事業で消えゆく集落の歴史資料や古民家の調査・保存活動に取り組む「北総地域資料・文化財保全ネットワーク(北総ネット)」。
一鍬田地区はB滑走路の南東に位置し、約50戸の移転が進む。その歴史は江戸時代の半ばころまで確認でき、山形県で子どもたちの生活記録「山びこ学校」を刊行した無着成恭(むちゃくせいきょう)が住職を務めた福泉寺もある。
調査では、千葉大や高崎経済大などの延べ約20人の研究者や学生が、福泉寺の境内にある「一鍬田共同利用施設」で記録文書や神事で使われていた民具などを確認した。
歴代の区長が持ち回りで所有していたタンスからは、江戸時代の検地帳や戦前の台帳、地図などが見つかった。タンスには文政9(1826)年の年号と名主の署名が書かれていた。
国立歴史民俗博物館の工藤航平准教授は「江戸時代から名主が使っていたものを、区長制度の確立後も転用したのでは。文書を解読すれば、この地での区長の役割や仕事内容が分かる」と話した。
また安産や子育ての安全を祈願する神事「子安講」などについて住民から聞き取っている東京文化財研究所の榎(えのき)美香客員研究員は「ものを保存するだけではなく、使い方や思い出話などのエピソードを残すことで、当時の生活の様子が伝わる」と指摘した。
同ネットはC滑走路本体などが設けられる同県芝山町で2024年から活動し、多古町での調査は初めて。一鍬田地区では町内外への戸別移転が多いとみられ、集落はばらばらになる見通しだ。【小林多美子】
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