廃キノコ工場のがれき処理手続き怠った疑い 町などを書類送検 茨城

2025/09/03 18:00 

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 茨城県利根町が約35年前に建設しながら4年しか使われず廃虚になっているキノコ工場について、がれき処理に必要な手続きを怠ったなどとして、県警が町と町農業政策課の前課長=既に退職=を廃棄物処理法違反容疑で水戸地検土浦支部に書類送検した。関係者への取材で3日わかった。

 関係者によると、町は2024年4月に業者に工場内のがれきを撤去させた際、産業廃棄物を処理する委託契約を業者と結ばず、廃棄物の処理状況などを把握するために必要な管理票(マニフェスト)を交付しなかった疑いがある。

 この工場は、町が国の補助金約9500万円を充てて約1億4400万円で整備。1989年に地元のキノコ生産組合が栽培を始めたが、4年で稼働を停止した。その後町が所有したが利活用はされなかった。

 工場内にはがれきが放置され、不審火による火災もあり、住民らが不安視。町の調査で、壊れた壁からアスベスト(石綿)も検出された。

 町はキクラゲ栽培への再利用を模索して24年4月に工場内のがれきを撤去したが、栽培事業者が辞退したため断念。26年までに解体することを決めていた。

 山崎誠一郎町長は取材に「捜査機関から連絡がないのでコメントしようがないが、書類送検されたということであれば今後の検察の捜査を見守るしかない」と話した。【酒造唯、斉藤瞳】

毎日新聞

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