<eye>新滑走路のそばで消えゆく営み 成田空港用地、200世帯が移転対象
千葉県の成田空港で3本目の滑走路新設工事が本格化している。2029年の完成を目指し、増え続ける訪日外国人受け入れにも対応する。総事業費は24年度の試算で約6700億円。
芝山町や多古町の一部地域は新たに空港用地となる。移転対象は約200世帯で、町内外の移転先への引っ越しが進む。
木々が深く茂り、先祖代々農業を営む住民が多く生活するのどかな地域は、複雑な思いを抱えて「移転」と日々向き合う。
「この辺りはほとんど空港用地だから土の下(滑走路の一部)になる。この景色や奉納相撲がなくなるのはさみしいよ」。
空港間近にある鹿島神社の氏子総代・石毛博道さん(76)は話す。8月24日、最後の奉納相撲があった。地元の大人や子ども計約80人が参加し、勝ち抜き戦などで盛り上がった。真夏の日差しを杉や竹林が防ぎ、涼しげな境内の土俵には例年以上の熱気があふれた。
参加した多古町の小学5年、小川遥羽(とわ)さん(10)は「初めて会う子もいて、一緒に相撲を取るのが楽しかった。ずっと続いてほしかった」と名残を惜しむ。
この鹿島神社も移転するが、新たな場所に土俵はない。五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を願い150年以上続いたとされる奉納相撲は今回で区切りを付けた。
石毛さんは「賛否はあるが、観光立国の日本で空港が充実するのなら移転も仕方ないと思っている」と胸の内を語る。
地元では今も移転に反対する声もある。「先祖の代から受け継いだ畑。簡単に手放すつもりはない」。小川潔さん(69)は江戸時代から続く農家で、米やニンジンなどを育てる。野菜はレストランにも卸し、試行錯誤を重ねた味に自信を持つ。
田畑は新たな空港用地に含まれる。提示された代替農地は通うのに時間がかかることから受け入れられず、空港側と交渉が続いている。
妻や家族とここで農業を続ける日々がなくなってしまうと思うとつらい。既に移住を決めた住民とも折り合いが悪くなったことにも心を痛めている。
「大切にしてきた畑を子どもの代に引き継ぎたい。ただ、売らないなんてことができるのか。どうしたらよいのかがわからない」【写真・文 滝川大貴】
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