「飛鳥・藤原」を世界遺産に イコモス現地調査 推進協、審査手応え

2025/09/13 16:32 

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が8~12日、世界文化遺産候補「飛鳥・藤原の宮都(飛鳥・藤原)」(奈良県橿原市、明日香村、桜井市)を現地調査した。調査は非公開。文化庁と、同県などで構成する世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会が13日、橿原市内で記者会見し、「一定の理解が得られた」と審査への手応えを語った。

 イコモスは2026年春、審査結果をユネスコに勧告する。「登録適当」の評価が受けられれば、「飛鳥・藤原」は26年7月19~29日、韓国・釜山で開かれる第48回世界遺産委員会で登録が正式決定される。文化庁によると、イコモスは5日間かけて明日香村、橿原、桜井両市の全19構成資産を調査。イコモスには守秘義務があり、調査員は一切コメントをしなかったという。

 「飛鳥・藤原」は07年暫定リスト入りから足踏みが続き、24年9月にようやく国内推薦が決まった。推進協は13日「現地調査では資産の保全管理状況を丁寧に説明した。イコモスから好評価がなされることを信じている」とのコメントを発表した。【皆木成実】

 ◇「飛鳥・藤原」19構成資産

 <宮殿と官衙(かんが)>飛鳥宮跡、飛鳥京跡苑池(えんち)、飛鳥水落遺跡、酒船石遺跡=明日香村▽藤原宮跡=橿原市

 <仏教寺院>飛鳥寺跡、橘寺跡、川原寺跡、檜隈寺跡(ひのくまでらあと)=明日香村▽山田寺跡=桜井市▽大官大寺跡=橿原市・明日香村▽本薬師寺跡=橿原市

 <墳墓>石舞台古墳、牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)、天武・持統天皇陵古墳、中尾山古墳、キトラ古墳、高松塚古墳=明日香村▽菖蒲池古墳(しょうぶいけこふん)=橿原市

毎日新聞

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