天皇、皇后両陛下が障害のある芸術家の作品を鑑賞 長崎訪問で

2025/09/13 17:43 

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 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは13日午前、長崎市の「恵の丘長崎原爆ホーム」を訪問された。80~90代の被爆者8人と懇談。被爆体験だけではなく、約350人が暮らすホームでの生活も話題になり、笑顔で握手を交わす場面もあった。

 入所者は車椅子などに座り、ご一家は腰を落としてそれぞれの被爆体験に耳を傾けた。「戦争は地獄です」「言い表せない」と言葉を絞り出す入所者に天皇陛下は「つらい思いをなさいましたね」と言葉をかけた。

 ご一家は今の生活についても質問。歌を楽しんでいるという説明などに皇后雅子さまが「若々しい」と応じると笑い声も広がった。最後に「今日はお会いできてうれしく思いました」と伝え、入所者と手を振り合っていた。

 戦後80年にあたり、ご一家は12日に長崎市に入った。13日午後からは「国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭」関係の日程となり、両陛下は長崎県美術館で障害のある芸術家たちの作品を鑑賞。愛子さまは帰京した。

 美術館で両陛下は、切り絵作家として活動する渡邊義紘さんがトリケラトプスの繊細な切り絵を作り上げる実演にも見入った。渡邊さんが作品をプレゼントする意思を示すと、両陛下は歩み寄って完成を待ち、「ありがとう」と笑顔で受け取っていた。【山田奈緒、百田梨花】

毎日新聞

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