ミャンマーで殺害された長井健司さん撮影の映像、何者かが上書きか
軍事政権下のミャンマーで2007年に反政府デモを取材中、治安部隊に射殺された映像ジャーナリスト、長井健司さん(当時50歳)が亡くなる直前まで撮影していたビデオカメラ映像の解析で「とりあえず、もどろう」と話す長井さんの肉声が初めて確認された。これまで特定に至らなかった「最期の言葉」とされる。映像に「上書きの痕跡」があったことも判明した。
長井さんが所属していたAPF通信社の山路徹代表が24日、東京都内で記者会見し、明らかにした。約6分40秒間の映像をテープ製造元のメーカーと日本音響研究所が解析したという。
映像は07年9月27日にミャンマーの中心都市・ヤンゴンで撮影され、冒頭から約5分間、抗議活動する市民や現場に到着した国軍のトラック、周囲の状況を伝える長井さんの姿が映っていた。長井さんが銃撃される6秒前からの19秒間は「暗闇」になり、その後、女性が映し出される。
「とりあえず、もどろう」という肉声は「暗闇」に変わる直前の映像で確認され、子供の姿などが映っていた。同研究所の鈴木創所長は「視聴者に向けて分かりやすく発するような大きな声ではなく、ぼそっとした声だった。その場の誰かか、自分自身に向けた発声ではないか」と説明した。
さらに冒頭5分間と「暗闇」、女性の3種類の映像はそれぞれテープの記録信号が異なり、録画を止める操作音も記録されていないことが分かった。APF通信社の針谷勉さんは「何者かがテープを上書きした可能性が極めて高い。銃撃前後の決定的瞬間が映っていた可能性がある」と指摘。音声が所々で途切れるなど、他にも不自然な点が確認されたとした。
「長井さんが命と引き換えに一番伝えたかった映像は、いまだに見ることができていない。非常に無念だ」。山路代表は会見でこう話し、今後も上書きされた映像の復元や詳細な解析を進めていく考えを示した。
長井さんのビデオカメラは所在不明となった後、現地の独立系メディア「ビルマ民主の声(DVB)」が入手し、23年4月、遺族に返還された。中にはテープ1本が残っていた。【洪玟香】
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