栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で４月、逆走した乗用車が複数の車と衝突、更に事故渋滞の車列に大型トラックが追突して男女計３人が死亡、１１人が重軽傷を負った多重事故で、県警は３日、逆走車を運転していた宇都宮市の無職の男性（当時４２歳）を自動車運転処罰法違反（危険運転致死）と道路交通法違反（事故不申告）の疑いで、容疑者死亡のまま書類送検した。

　書類送検容疑は４月２６日午後１０時ごろ、乗用車を運転して東北自動車道上り線を逆走し、岩手県北上市の男性会社員（当時５６歳）運転の乗用車に正面衝突して、男性会社員を死亡させたなどとされる。

　県警交通指導課によると、送検された男性は事故当日、午後８時２０分に東京都内の首都高のインターチェンジ（ＩＣ）から浦和ＩＣ（埼玉県）を経由して東北自動車道下り線を走行。午後９時５７分に黒磯板室ＩＣから一般道に出た後、同５８分に同ＩＣから上り線に逆向きに進入。時速９０～９５キロで約３キロ逆走し、別の車とも接触したが走り続けたという。「過失ではなく、逆走を認識して故意に走り続けたと判断した」と危険運転致死容疑を適用した理由を説明した。【藤田祐子】