北海道・白老の養鶏場で鳥インフル確認 45万羽の殺処分開始

2025/10/22 12:36 

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 北海道は22日、白老町の養鶏場で死んだ鶏の高病原性鳥インフルエンザ(H5型)感染を確認したと発表した。国内の養鶏場での感染確認は今季初となる。道はこの養鶏場で飼育されている採卵鶏約45万9000羽の殺処分を開始した。

 道によると、感染が確認された養鶏場から半径3キロ以内にある養鶏農家1戸の約8万羽は鶏の移動が禁止され、10キロ以内にある3戸計約54万羽は区域内からの搬出が禁止される。

 道は22日朝、職員約120人を現地に派遣。30日までに殺処分作業を終え、発生養鶏場の消毒作業などは11月2日までに終了する予定。周辺の制限区域を含めた消毒などの防疫措置は11月下旬までかかる見込み。

 今年から自衛隊派遣要請の基準が「行政機能の維持が困難になった場合」と厳しくなり、今回は要請を見送った。道職員が作業の中心となり、民間事業者に初めて殺処分や消毒作業を委託する。道は従来よりも作業期間が長くなると説明している。

 今回の殺処分数は道内の採卵鶏の8%に当たり、道内の養鶏場で鳥インフル感染が初確認された2016年以降、21年の白老町の51万8000羽に次いで3番目の規模になる。

 市場への影響について、道の担当者は「決して小さくはないが、すぐに卵がなくなることはない。出荷数も回復していくので、冷静に対応してほしい」と呼びかけている。

 国内の養鶏場では今シーズン初めての感染確認となったが、韓国の養鶏場では9月に感染が確認されており、道は「感染リスクが大変高い状況だ」として農家に対策の徹底を呼びかけている。【片野裕之】

毎日新聞

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