三陸沿岸の養殖サーモン、5年で5倍に 水産大手が方針発表

2025/11/04 16:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 水産大手のニッスイ(東京都)は、岩手県三陸沿岸でのサーモン養殖を今後5年間で5倍程度に増やす方針を明らかにした。グループ会社が陸前高田市で10月に漁業権を取得し、大船渡市で11月中に試験養殖に着手する。2020年から生産している大槌町でも増産し、昨季の約1500トンから30年に約7000トンを目指す。

 陸前高田市で10月末に開いた記者会見で説明した。ニッスイの金柱(かなばしら)守・漁業養殖推進部長は増産方針について「三陸沖は全国的にも優良な漁場。陸前高田でも安定した生産や出荷のめどが立った」と説明した。

 陸前高田市では23年にギンザケなどの試験養殖に着手しており、今季から事業化する。国内最大級の直径50メートルのいけすを導入し、いけすの数も2基から5基に増やす。稚魚の育成場も地元漁協が所有するサケマスふ化施設そばに新設した。今季は約300トンを水揚げし、30年には約2500トンに増やすという。

 大船渡市の試験養殖では今季が約60トン、来季は約120トンが目標で、その後の事業化で拡大する。大槌町でも昨季の約1260トンから増産する。

 養殖サーモンは、回転ずしをはじめ国内需要が堅調。国は「養殖業成長産業化総合戦略」で、サーモンの国内生産を20年からの10年間で2万トンから3万~4万トンに増やす目標を掲げている。【奥田伸一】

毎日新聞

社会

社会一覧>