<1分で解説>徳島県、贋作絵画を返品 購入時と同じ6720万円で

2025/11/21 15:52 

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 徳島県立近代美術館が収蔵していた絵画が贋作(がんさく)だったことが分かり、県は19日、購入した会社から返金を受け、絵画を返したと発表しました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「美術館収蔵の贋作絵画を返品」について解説します。

Q 美術館の絵が本物に見せかけて作られた偽物だったって聞いたよ。どんな絵だったの?

A 美術館が収蔵していたのは、フランスの画家、ジャン・メッツァンジェが1911~12年に描いたとされてきた油彩画「自転車乗り」です。

Q どうして贋作だと分かったの?

A 2024年に外部から指摘があり、詳しく調べた結果、贋作だと断定しました。

Q 誰が贋作を作ったの?

A 調査の結果、ドイツ人で「天才贋作師」とも呼ばれるヴォルフガング・ベルトラッキ氏が作ったものだと分かりました。

Q どんなところが、本物と違ったのかな。

A 東京文化財研究所の協力で、絵の顔料を調べたところ、20世紀初めの作品なのに、20世紀中期以降に使われ始めた合成顔料が見つかり、時代が合わないと分かりました。

Q 絵はどうなったの?

A 県は絵を購入した大阪市の会社と話し合い、返金を受けて、絵を返しました。

Q 返金額はいくらだったの?

A 購入時と同じ6720万円が返金されました。会社側も本物だと信じて売っていたため、購入契約自体は正しかったとしています。

Q 今後、県はどうするの?

A 「自転車乗り」は県の固定資産台帳に取得時の価格で登録されていますが、今後、台帳から削除する手続きが進められる見通しです。美術館は贋作と分かった後も、購入時に本物と判断した経緯などを説明したパネルとともに絵を展示したこともありました。

毎日新聞

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