マンション部屋前まで荷物お届け 昇降機大手が搬送ロボ実証実験公開

2025/12/11 05:45 

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 昇降機大手「三菱電機ビルソリューションズ」(東京都)は10日、マンションのエレベーターなどと連携したロボットが、住民の荷物を部屋の前まで自動搬送するシステムの実証実験を愛知県稲沢市内で公開した。

 システムは、同社が開発した、ビルを総合的に管理するIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「ヴィルフィーユ」を活用している。ロボットがマンションのエレベーターやセキュリティーシステムとつながり荷物を運ぶ仕組みだ。高齢者や子育て世帯の荷物搬送支援につなげるほか、物流の再配達問題などの解決を目指す。

 実験で使用したのはプリファードロボティクス(東京都)が開発した小型自律搬送ロボット「カチャカプロ」だ。幅24センチ、奥行き39センチ、高さ12センチと小型で、中小規模マンションでも円滑な走行が可能だ。最大30キロまで荷物を運ぶことができる。

 実証実験は、同社の製造拠点がある、稲沢市内の自社独身寮のマンションで行われた。

 住民が、ロビーで買い物の荷物をカートに載せ、スマートフォンのアプリを操作すると、ロボットがカートの下に入り込んで運搬。セキュリティードアを開けて、エレベーターも自動で呼び出した。「皆様のお荷物を運ぶお仕事をしています」などの音声を流しながら、荷物を部屋の前まで届けていた。ゴミ出しや旅行時の大型荷物運搬などにも利用できるという。

 同社は、福岡市のファミリー向けマンションでも実験し、利用者の満足度や効率性、安全性などを検証する。地田章博・先行技術開発部長は「社会課題をテクノロジーの力で解決していく。自動化で全ての人が快適に暮らすことができる社会の実現に貢献したい」と話した。【川瀬慎一朗】

毎日新聞

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