<国民審査>国民審査・沖野真已判事 女性初の東大法学部長、「法を見極める」
最高裁裁判官国民審査が、2月8日の衆院選投開票と同時に実施されます。審査対象となった沖野真已氏(62)とはどのような人物なのでしょうか。報道各社へのアンケートの回答などを基に紹介します。
◇民法のエキスパート
沖野氏は、最高裁判事の心構えを「さまざまな考え方に複眼的に、予断なく向き合い、何が法であるのかを見極めることが大切だ」と説く。
奈良県出身。東大法学部を卒業し、民法の研究者としての道を歩んだ。
法改正を議論する審議会や紛争解決を図る委員会のメンバーも歴任。第三者的な立場から、対立する利害や主張のどちらかを切り捨てるのではなく、良い部分を生かしながら新しい解決策を示す一助となることを心がけてきたという。
関わった一つが、4月に施行される改正民法。現在は婚姻中の父母にしか認められていない共同親権を、離婚後も可能にする内容だ。
賛否両論が渦巻く制度ではあるが、「子の養育について、家族のあり方が多様化している状況を見据え、選択肢を用意し、『子の利益』こそが中核であることをより明確にした」と意義を強調する。
◇「AIの可能性」考える必要がある
女性として初めて東大法学部長も経験し、華々しく映るキャリアの陰で「学者としての能力に深く失望する経験」を重ねてきたという。
それでも自身を奮い立たせてくれた言葉として、井の中の蛙(かわず)大海を知らず、に続く「されど空の蒼(あお)さを知る」を手帳に書き留めている。
自身の就任で最高裁の女性判事は過去最多の4人となり、「一般的に、さまざまな属性やバックグラウンドを持つ主体が議論することの意義は大きい」とする。
法律が憲法に反していないかどうかを最終判断する最高裁の役割についても、「憲法は何を定めているのか、その問いを突き詰めること」で取り組んでいきたいとした。
25年7月に就任して第3小法廷に所属する。
LPガス(液化石油ガス)の戸建て住宅の設備の契約を巡る訴訟で、業者側に有利な契約を「無効」とした25年12月の判決(裁判官5人全員一致の多数意見)に賛成した。
読み進めている本は「AI時代の司法を考える」。AI(人工知能)の活用のあり方については「AIは間違うことを念頭に、司法制度を支える社会からの信頼を損ねないよう活用の可能性を考えていく必要がある」とする。
芝居が好きで、余暇には歌舞伎やミュージカルの劇場に足を運ぶ。【三上健太郎】
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