昭和7割、平成3割、令和はゼロ 諏訪湖「御神渡り」、今季も現れず

2026/02/04 15:52 

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 諏訪湖(長野県)は今季も、御神渡(おみわた)りが現れない「明けの海」となった。八剱(やつるぎ)神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司(75)は立春の4日早朝、湖面を観察した後、「残念ながら御渡(みわた)りを拝観することかなわず、春を迎えようとしている」と述べ、明けの海を宣言した。

 明けの海は、室町時代中期の1443年から今季までの584年間で82回目となり、これまで最長記録だった1507~14年の8季に並んだ。宮坂宮司が御神渡りの祭主を務めるようになって40年の間に拝観式に臨んだのは11回。近年では2018年2月5日が最後だ。

 宮坂宮司によると、大正時代までの御神渡り出現率はおおむね約9割だったが、昭和は7割、平成3割と激減。令和になってからは出現していない。宮坂宮司は「この数字を見ただけでも、(湖の環境に)大きな変化があるのかな」と話し、護岸改修や気候変動など、湖の環境に及んでいる影響に言及した。

 平安時代末期の歌人、源顕仲(みなもとのあきなか)は「すわの海の 氷の上の通い路は 神のわたりて とくるなりけり」と詠んだ。上社の男神が下社の女神のもとに通う跡と受け止められた御神渡り。今季も出現しないまま、湖は立春を迎えた。

 宮坂宮司は「海が明けた年であったということをしっかりと御渡帳にとどめたい」。岡崎広幸・大総代(64)は「全面結氷で期待が膨らんだが残念。寄せ氷の上での観察は忘れられない思い出」と振り返り、関係者に感謝を表した。総代そろっての観察は4日で終了し、観察総代などが氷が解けるまで見守る。

 八剱神社では14日正午から明けの海の注進奉告祭を行う。「御渡注進状」を神前に供えて今季の結果を報告し、拝観式で使う予定だったしめ縄のお焚(た)き上げをする。その後、諏訪大社上社本宮での御渡り注進式に臨む。【宮坂一則】

毎日新聞

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