首都高速道路会社に改善措置を要求 清掃巡る入札談合 公取委

2026/04/22 15:30 

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 首都高速道路の清掃事業を巡る入札談合で、発注側の首都高速道路会社(東京都千代田区)の職員が受注会社に入札予定価格などの非公開情報を事前に伝えていたとして、公正取引委員会は22日、官製談合防止法に基づき同社に改善措置を求めた。事業を受注した4社には独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、再発防止などを求める排除措置命令を出した。うち2社には計5億2825万円の課徴金納付も命じた。

 排除措置命令を受けたのは、スバル興業(千代田区)▽日本ハイウエイ・サービス(同)▽京葉ロードメンテナンス(東京都中央区)▽首都ハイウエイサービス(横浜市)――の4社。

 いずれも独禁法違反を認定されたが、談合を自主申告した日本ハイウエイとその子会社の首都ハイウエイは課徴金減免制度(リーニエンシー)が適用され、課徴金納付を免れた。ほかに1社が違反行為に関与したが、独禁法に基づく除斥期間を経過していたため、処分の対象とならなかった。

 排除措置命令を受けた4社は遅くとも2017年5月から25年5月までの間、首都高(総延長320キロ超)を四つの区間に分けて発注される清掃事業の一般競争入札を巡り、それぞれ希望する区間を受注できるよう事前に調整し、互いの競争を制限した。その際、首都高速道路会社の職員2人が、受注側に転職した同社OBや受注側の従業員らの要請に応じ、入札の予定価格や積算基準などの非公開情報を伝えていた。

 受注業者間の談合は、対面や電話などを使って受注予定社以外の社を「協力者」として選定。受注予定社は入札に必要な資料である「工事費内訳書」について、自社用と協力者用をそれぞれ作成し、協力者用の資料には自社よりも高い入札価格などを記していた。協力者は資料を基に入札に参加したり辞退したりして、予定社が受注できるようにしていた。協力者を「ダミー」とすることで、談合の発覚を回避するなどの目的があったとみられる。

 清掃事業は道路の機能維持や交通事故の予防を目的とし、特殊な車両などを用いて路面などを清掃するほか、冬季には凍結防止剤の散布といった積雪対策も含まれる。入札への参加条件は特殊車両の保有の有無などがあり、受注会社も固定化されたことが談合の温床になった可能性もある。契約は2年契約で、17~25年の8年間に計4回の入札が行われ、4社の落札額は計約255億円。平均落札率は97・66%だった。

 首都高速道路会社は公共性が高い「特殊会社」で、国や地方公共団体が99%以上の株式を保有する。清掃事業の費用は首都高利用者が支払う通行料金などでまかなわれている。

 首都高関連の談合を巡っては、公取委が1997年6月に料金所などの建築工事を巡る官製談合で事業者らに排除勧告を出し、06年9月にはトンネル換気設備工事の談合事件で受注業者らに課徴金納付命令を出していた。

 公取委の担当者は「首都高は首都圏の経済や社会を支える極めて重要な社会インフラ。その維持管理を担う清掃業務で長年談合や情報漏えいが行われていたことは遺憾。引き続き、社会インフラ関連の違反に厳正に対処する」と語った。【山田豊】

毎日新聞

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