社長らの「監督過失」認める 軽井沢のバス事故、2審も実刑判決
長野県軽井沢町で2016年、大学生ら15人が死亡したスキーツアーバス事故で、業務上過失致死傷罪に問われたバス運行会社「イーエスピー」(東京)社長、高橋美作(みさく)被告(64)と元社員の荒井強被告(57)の控訴審で、東京高裁は22日、事故の予見可能性を認め、1審・長野地裁判決(23年6月)に続き両被告に実刑判決を言い渡した。
運転手の男性(当時65歳)は事故で死亡しており、運転手を管理する義務を怠った「監督過失」の有無が争点だった。両被告は過失を否定して無罪を主張したが、吉崎佳弥裁判長は「運転手の技量が不十分なことを確認せず、死傷事故を未然に防止する義務を怠った」と判断。高橋被告を禁錮3年(求刑・禁錮5年)、運行管理者だった荒井被告を禁錮4年(同)とした1審判決を支持し、両被告の控訴を棄却した。
事故は16年1月15日午前1時50分ごろ、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで発生。カーブを曲がりきれなかったバスが道路脇の崖下に転落し、乗客の大学生ら15人が死亡。26人が重軽傷を負った。
高裁判決は、事故原因を1審同様に急な下り坂でギアをニュートラルにして補助ブレーキが利かない状態にするなど運転手の技量不足にあったと認定。入社前の5年間大型バスを運転していないなど、両被告は運転手の経験が少ないことを認識しながら、技量を十分に確認せずに業務に従事させていたとした。こうした行為は事故につながる危険性が高く、両被告は死傷事故が起こる結果を具体的に予見できたと結論付けた。
量刑についても、15人が亡くなった結果の重大性、監督官庁の監査に虚偽の弁明をするなど安全軽視の姿勢が顕著なことを理由に実刑を選択した1審を支持した。
弁護側は「運転手の異常な運転が原因で事故は具体的に予見できなかった」などと主張。有罪だとしても被害者側に総額22億円以上の損害賠償をしていることなどから、刑の執行を猶予すべきだと訴えていた。【菅健吾】
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