屈辱の初戦敗退から1年 東福岡、成長の粘り勝ち 選抜高校ラグビー

2025/03/27 21:06 

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 ◇第26回全国高校選抜ラグビー大会準々決勝 ○東福岡24―17大阪桐蔭●(27日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園)

 前回大会では明暗が大きく分かれた強豪同士の対決。当時は「暗」の側に立った東福岡が、連覇を狙った大阪桐蔭に粘り勝ちした。

 互いに譲らず、17―17で迎えた後半ロスタイム。東福岡はトライ数で上回られており、準決勝に進むには追加点を挙げるしかなかった。敵陣内でのラインアウトでボールが後ろにそれるミスが出たが、こぼれ球をNO8の須藤蒋一(2年)がいち早く確保。フェーズを重ね、最後はSO川添丈(1年)が左へパスすると見せかけて大阪桐蔭の防御網を崩し、自ら突破して決勝トライを挙げた。

 川添は「絶対に勝ちたかった。最後は自分の力でチームを勝たせたいと思って走った」と呼吸が弾んだまま振り返った。トライ直後のゴールも決まり、24―17で退けた。

 優勝候補の一角と目された前回大会、1回戦で目黒学院(東京)に終盤で逆転を許して敗れる屈辱を味わった。当時は入学直前で、中継で試合を見守っていた川添は「自分たちのミスで追いやられて最後に逆転された感じだった。(その後チームでは)ミスをした後の素早いカバーを練習してきた」と明かす。反省を生かし、今年は逆に終盤に勝利をつかんだ。

 全国高校大会(花園)で7回、選抜大会で6回の優勝を誇るが、2022年度の花園を最後に両大会の頂点から遠ざかる。主将の須藤は「今年はどんな相手にも勝ち切りたい」。全国王者の称号を取り戻すため、鼻息は荒い。【高野裕士】

毎日新聞

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