京都成章、新たな武器携え決勝へ モール勝負制す 選抜高校ラグビー

2025/03/29 20:34 

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 ◇第26回全国高校選抜ラグビー大会・準決勝 ○京都成章22―5東福岡●(29日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園)

 塊になった黄色と青の集団が、ぐんぐんと敵陣のトライラインに迫った。京都成章が8年ぶりの決勝進出をたぐり寄せた決め手は、課題として取り組んできたモールだった。

 5点を追う前半24分、敵陣22メートルライン付近のラインアウトからモールを作ると、一気に押し込み、最後はフッカーの米本啓太朗選手(2年)が同点トライを挙げ、勢いに乗った。前半ロスタイムにも、ほぼ同じ場所からラインアウトモールで押し込み、米本選手が抜け出して勝ち越しトライ。後半12分のダメ押しトライも、モール勝負を制した。

 京都成章は、2月に行われた近畿大会は決勝で大阪桐蔭に敗れて準優勝だった。モールで相手を押し込むことができないという課題が出たため、選抜大会までの約1カ月、味方同士の体を密着させる意識を徹底してきた。関崎大輔監督は「(モールの強さは)まだまだだが、選手は必死に積み重ねたものを実感できたはず」と語った。

 「ピラニアタックル」と呼ばれる、低く速いタックルを武器にした伝統の堅い防御も光り、後半は無失点で初の頂点まであと1勝に迫った。決勝は、冬の花園で優勝した桐蔭学園とぶつかる。準決勝でゲームキャプテンを務めた土肥祐斗選手(2年)は「厳しい試合になるだろうが、絶対に崩せるところがあるはず」。新しい武器を携え、王者に立ち向かう。【川村咲平】

毎日新聞

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