「ボールってこんなに白いんだ」 京都の球児から用具 ベリーズ感激
まっさらなボールを手にして瞳を輝かせる少年たち。キャッチボールをするだけで気持ちが通じ合えたように感じた。
京都の高校球児が8月に中米の小さな国、ベリーズに野球用具を届け、現地の子どもらと交流した。
京都市立京都工学院高2年の野球部員、森田翔也さん(16)は、中学時代の恩師がベリーズで国際協力機構(JICA)の海外協力隊員として野球の普及に取り組んでいるのを知り、自らも協力したいと思い立った。
4月から約1カ月半の間に、現地への渡航費と用具の購入費を捻出するためクラウドファンディング(CF)に挑戦。支援の輪は広がり、66人から寄付が集まって目標の100万円を達成した。
硬式球120個やグラブ10個などを購入したほか、モノ作りを学ぶ強みを生かして、チームメートと3Dプリンターを使って打撃練習用のティースタンドを作製した。
さらに活動の輪は広がり、京都府立の北桑田高、久御山高、東稜高からは捕手用防具の提供を受けた。
ベリーズでは、森田さんの恩師である海外協力隊員の椎葉一勲(かずひろ)さん(35)が野球関係者ら約30人を招いて贈呈式を開いた。
森田さんが「ベリーズの子どもたちにもっと野球を好きになってもらいたいと思い、道具を持ってきました」とあいさつすると、出席者からは「高校生がお金を集めて、ベリーズのために尽くしてくれるなんて信じられません」と感謝の言葉が寄せられたという。
カリブ海に面する人口約40万人のベリーズでは老若男女が楽しめるソフトボールが盛んで、企業チームがあるほど人気がある。
野球に関してはチームすら存在しないが、インターネットの普及により米大リーグの映像を見る機会が増えたことで、少しずつ興味を持つ人が増えているという。
しかし、野球用具をまともに取り扱っている店舗はなく、各自が周辺国から取り寄せるしかない。椎葉さんが主宰する野球教室でもグラブは不足し、傷だらけのボロボロのボールを使っていた。
森田さんが届けた新品の用具を手にした教室の参加者たちは喜び、さらに活気にあふれたという。
椎葉さんは「ボールってこんなに白いんだ。グラブは最初、こんなにも硬いのかと驚き、参加者のモチベーションは上がっていった」と話す。
野球教室にも参加した森田さんは片言の英語を交えながらキャッチボールをしてコミュニケーションを図り、一緒に笑った。
森田さんは「日本の恵まれた環境で野球ができているのがどれだけありがたいことなのかと実感した。いつかベリーズの子どもたちに日本に来てもらい、一緒に野球がしたい」と語る。
大きな挑戦を終えた球児には、新たな夢も芽生えていた。【村上正】
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