FRB、政策金利を据え置き インフレ再燃に懸念、4会合ぶり
米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、政策金利の誘導目標を4・25~4・5%に維持すると決めた。トランプ米政権の発足で物価上昇(インフレ)再燃への懸念が浮上しており、経済動向を見極める必要があると判断した。FRBが利下げを見送り、金利を据え置くのは、2024年7月以来4会合ぶり。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を28、29日に開き全会一致で決めた。
FRBは声明文で「2%目標に向かって前進している」との文言を削除し、インフレ再燃への警戒をにじませた。その一方、「ここ数カ月、失業率は低位で安定している」と明記し、労働市場の悪化懸念は和らいでいるとの認識を示した。
FRBは24年9月から3会合連続で利下げを実施。インフレが鈍化する中、雇用環境が悪化しないよう経済を下支えする狙いがあり、下げ幅は計1%に拡大していた。
だが、24年12月の米消費者物価指数は前年同月比2・9%上昇で3カ月連続で前月を上回った。ピークの22年6月(9・1%)に比べ低いが、インフレ再加速の兆しが出ている。
20日に発足したトランプ政権は関税の大幅引き上げなどインフレを再燃させる恐れが高い政策を掲げている。このためFRBはいったん利下げを停止し、様子見に転じることにした。【ワシントン大久保渉】
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