カナダも米国への報復関税を発動 世界的な貿易戦争が激化

2025/03/13 18:05 

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 カナダは13日、米国からの輸入品298億カナダドル(約3兆円)相当に25%の報復関税を発動した。米国による鉄鋼・アルミニウム製品への25%関税発動を受けた措置。一方、トランプ米大統領は12日、既に報復措置を発表した欧州連合(EU)に対して「もちろん、対抗するつもりだ」と述べた。トランプ政権による関税引き上げの乱発により、世界的な貿易戦争が激化している。

 米国は12日、すべての国を対象に鉄鋼・アルミ関税を発動した。これを受け、米国向け鉄鋼・アルミの最大の輸出国であるカナダは、米国から輸入する鉄鋼・アルミに加え、コンピューターやスポーツ用品などの関税を引き上げた。カナダのルブラン財務相は記者会見で「カナダ経済を守るために必要な行動をとる」と述べた。

 米国は4日にも合成麻薬の流入対策の不備を理由に、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を発動。カナダは300億カナダドル相当の米国からの輸入品に25%の報復関税を課していたが、今回更に上乗せする。

 一方、米国への鉄鋼輸出3位(2024年)のメキシコのシェインバウム大統領は12日、「4月2日まで待つつもりだ」と述べ、米国が「相互関税」など各国への大規模な関税を発表するまで様子見する考えを示した。ロイター通信によると、同2位のブラジルも当面は報復関税を見送る方針。

 トランプ氏は12日、自動車分野の貿易不均衡についても不満を示した。ホワイトハウスで記者団に対し「(他国が)何百万台もの車を(米国に)持ち込んでいる。恐らく最も大きいのは日本だ」と述べ、24年の対米自動車輸出(国別)がメキシコに次ぎ2番目に多かった日本を名指しした。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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