「リスク取って」3兆円投資へ 政策投資銀社長、中東情勢にらみ
政府系金融機関の日本政策投資銀行(DBJ)の地下(じげ)誠二社長が19日までに毎日新聞のインタビューに応じた。今後の企業支援を巡り、中東情勢の緊迫化で原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の実質封鎖が続く中、「サプライチェーン(供給網)の再構築が必要になるかもしれない。リスクを取って息の長い手伝いをする」と強調した。
DBJは今年策定した2030年度までの中期経営計画で、リスクの高い分野で3兆円の企業投資などを行う方針を示した。投入先としては、持続可能なインフラ形成▽産業の技術革新と再編▽地域創生――の3分野に重点を置くが、地下氏は2月末の米国とイスラエルのイラン攻撃後「より難しさが増した」と指摘。リスク投資は中東情勢にからんだ内容が増えると見込む。
具体的には、経済合理性が乏しいため海外からの調達に切り替えていた素材の国内製造や、中東産原油だけに対応した国内製油所を他地域の原油も精製できる設備に切り替えることなどを挙げ「(イラン攻撃以降の)数カ月で、より手間ひまかかるものに取り組む必要が出てきた」と述べた。
DBJは、最先端半導体の量産化を目指す国策会社ラピダスについて100億円規模を出資している。地下氏は「当然リスクは高い」と指摘したうえで、経営の浮き沈みが激しい半導体産業の特性もあり「通常の金融資本で支えるのは無理。『令和の八幡製鉄所』として官民で適切な支援が必要で、継続的に関わっていく」と述べた。【聞き手・古屋敷尚子】
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