尹大統領の拘束継続 「証拠隠滅の恐れ」 勾留期限は2月5日

2025/01/19 19:40 

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 韓国のソウル西部地方裁判所は19日未明、内乱などの容疑で15日に逮捕された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束継続を認める令状を発付した。新たな令状は日本の刑事手続きの勾留状と類似したもので、勾留期限は2月5日。検察は同日までの尹氏の起訴を目指す。

 尹氏は捜査当局による3度の出頭要請を拒否。今月3日には逮捕状の執行を大統領警護庁が阻止していた。同地裁はこうした経過などを踏まえ、尹氏が「証拠を隠滅する恐れがある」などと説明した。尹氏は弁護団を通じ、「司法手続きを通じ、戒厳令宣布の正当性を明らかにしていく。時間がかかっても諦めない」とのコメントを発表した。

 尹氏は逮捕された15日、ソウル拘置所に収容され、今後も引き続き拘置所内で過ごす。

 尹氏に対する刑事手続きは起訴に向けた段階に移る。尹氏を逮捕した高官犯罪捜査庁(高捜庁)には内乱罪で尹氏を起訴する権限がなく、起訴は検察に委ねる。聯合ニュースによると、24日ごろから検察が尹氏を取り調べる。

 検察は尹氏を「内乱の首謀者」と位置づける。金龍顕(キム・ヨンヒョン)・前国防相=内乱罪などで公判中=や共謀したとされる軍、警察の幹部はいずれも内乱罪で起訴された。検察は、尹氏の命令を受けたとの軍幹部らの証言などの証拠に基づき、尹氏の起訴を目指す。

 刑事事件とは別に、国会での尹氏に対する弾劾訴追を受けた憲法裁判所での審理も進んでおり、3月中にも結論が出るとみられている。

 憲法裁が弾劾を妥当だと判断すれば、尹氏は失職。60日以内に大統領選となる。妥当でないと判断すれば尹氏は大統領職に復帰する。検察が尹氏を起訴した場合でも、刑事裁判よりも憲法裁の結論が先となるとみられる。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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