ASEAN外相、トランプ次期政権念頭に連携強化を確認 非公式会議

2025/01/19 19:30 

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)は19日、議長国マレーシアの北部ランカウイ島で非公式外相会議を開いた。混迷するミャンマー情勢や、中国とASEANの一部加盟国が領有権を争う南シナ海の問題などについて議論を交わした。マレーシアの国営メディアなどが報じた。

 会議では、20日に就任するトランプ次期米大統領について、マレーシアのモハマド外相が「外交的かつオープンな姿勢で(東南アジアと)関わることを期待する」と述べた。

 モハマド氏は会議の冒頭、ASEAN全体の国内総生産(GDP)が世界5位の規模だと指摘。「東南アジアでは超大国同士の競争が起きる。安全保障環境を混乱させる動きに対し、ASEANが中心的なプラットフォームであり続けるべきだ」と訴えた。米中関係に振り回されないといった決意をにじませた。

 一方、ミャンマーの情勢は周辺国にも影響を及ぼし、地域最大の懸案となっている。今回の外相会議では、ミャンマーは外務次官を派遣して一定の歩み寄りを見せたが、ASEANが求める暴力の即時停止などの履行には至っていない。

 マレーシアは議長国として、自国の駐米大使などを歴任した元外交官をミャンマー担当特使に任命したが、早期の状況打開は難しいとみられる。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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