米国防長官、採用や昇進は「実力本位、人種関係なし」 文書で方針

2025/01/30 11:36 

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 米国のヘグセス国防長官は29日、国防総省や米軍における採用や昇進などの決定を全て「実力主義、人種関係なし」で行うとの方針を示す文書を省内向けに出した。トランプ大統領の意向に沿い、米軍からDEI(多様性、公平性、包括性)推進を排除する措置を取るよう求める大統領令などに基づくものだ。

 ヘグセス氏の文書は表題で「米国の戦闘力を回復する」と銘打った。軍最高司令官であるトランプ氏が大統領令で、性別や人種、民族を理由に個人や集団を優遇したり、不利に扱ったりすることを禁止したことに触れ、「DEI政策は国防総省の価値観とは相いれない」と主張。採用や昇進、配属先の選考からDEIの発想を排除し、個人の希望と実力や、組織にとっての必要性を判断基準にすると表明した。

 具体的には、人事選考などの際に性別、人種、民族性を考慮しない▽組織構成などで性別、人種、民族ごとに一定数を割り当てる「クオータ制」や目標を設定しない▽DEIやジェンダーイデオロギーに関する指導を行わない――などと明示した。

 トランプ氏とヘグセス氏は、女性兵士に全ての戦闘任務への参加を認めるなどのDEI推進の取り組みが軍を弱体化させたと批判してきた。トランプ氏は、米軍からDEIを一掃するほか、出生時の性と性自認が一致しないトランスジェンダーの人々を排除することを念頭にした大統領令にも署名している。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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