正恩氏は8歳で指導者の後継者に? 韓国の研究者「叔母夫妻が証言」

2025/02/21 05:30 

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 北朝鮮研究者で世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)・韓半島戦略センター長が今週発売の新著で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が8歳の時に、父の金正日(キム・ジョンイル)氏が「後継者は正恩だ」と述べたとのエピソードを明らかにした。正恩氏の叔母夫妻=米国在住=が鄭氏に証言したという。

 正恩氏の叔母の高英淑(コ・ヨンスク)氏とその夫のリ・ガン氏は1998年に亡命したとされる。鄭氏は2021年3月、米国で夫妻にインタビューした。

 鄭氏によると、リ氏は92年に開かれた正恩氏の8歳の誕生パーティーに出席。正日氏はこの際に、正恩氏が後継者だと述べたうえで「私に似ているから」と話し、正恩氏は度胸があると強調したという。正日氏の専属料理人を務めていた藤本健二氏(仮名)も、著書の中で「正日氏の一番のお気に入りは次男(正恩氏)」だったと明らかにしている。

 パーティーでは、正恩氏をたたえる歌とされる「パルコルム(歩み)」が披露されたという。パルコルムが北朝鮮内部で広く歌われるようになったのは、正恩氏が公式の場に姿を現す直前の09年だった。

 また、鄭氏によると、リ氏夫妻は、正恩氏が生まれた場所について平壌市北東の三石(サムソク)地区にある招待所だと述べた。正恩氏の異母兄に当たる金正男氏の伯母の成蕙琅(ソン・ヘラン)氏が生前、手記で正恩氏の母の高英姫(コ・ヨンヒ)氏について「鉄峰里(チョルボンリ)の女」と記したことから、鄭氏は、正恩氏の出生地が三石地区にある鉄峰招待所だと推定した。正恩氏の出生地については他に、北朝鮮東部・元山(ウォンサン)の招待所だとの説などがある。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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