韓国大統領選 与野党候補が同じ遊説ソングを選択 日本アニメ関連曲

2025/05/21 16:06 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 6月3日投開票の韓国大統領選で与野党の主要2候補が、選挙を盛り上げるためにかける「遊説ソング」として日本アニメと関連した同じ曲を選び、話題を呼んでいる。

 最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表(61)と与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相(73)の2陣営が選んだのは、日本のアニメ「キン肉マンⅡ世」の韓国版主題歌「疾風街道」だ。曲のリズムが良く、歌詞も「もう一度私に疾風のような勇気を」などと挑戦者を励ます内容で、スポーツ競技の応援歌としても、よく使われてきた。

 韓国外国語大日本研究所の河昇彬(ハ・スンビン)研究委員によると、1990年代に韓国のケーブルテレビにアニメ専門チャンネルができ、このチャンネルで2004年から放送されたのが「キン肉マンⅡ世」だった。

 韓国では日本の植民地支配に対する国民感情や韓国の文化産業保護などを理由に、日本の大衆文化の流入を長く法律で規制していた。日本アニメの放映が解禁されたのは00年代以降だ。

 ただ、当時は日本語の歌をそのまま放送することへの抵抗感はまだ強く、「キン肉マンⅡ世」でも韓国のミュージシャンが作詞・作曲した韓国版主題歌を独自に作ったという。それが今回の「遊説ソング」となった「疾風街道」だ。韓国メディアによると、使用する際は著作権協会の承認が必要で、大統領選の場合は1曲当たり200万ウォン(約21万円)を払うという。

 韓国日報は、李在明氏が22年の大統領選の際にもこの歌を使用したと伝え、2候補の選んだ曲が重複したことについて「相手候補が先に使った曲は避けることが一般的で、原曲者も片方にだけ許可する場合が多いことを考えると異例だ」と指摘している。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

国際

国際一覧>