在米イスラエル大使館員銃撃 男性1人を拘束 死亡の2人は婚約間近

2025/05/22 22:40 

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 米首都ワシントンにあるユダヤ博物館近くで21日夜、銃撃事件があった。在米イスラエル大使館職員の男女2人が死亡し、警察当局は銃撃したとみられる男性1人を拘束した。その際に男性は「パレスチナに自由を」と叫んだという。警察当局は、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃の激化が事件の背景にあるとみて捜査している。

 警察当局によると、拘束されたのはシカゴ出身の男性(31)。事件前に博物館の外をうろついており、外に出てきた男女2人に近づいて発砲した。銃撃後、博物館に侵入して警備員に取り押さえられた。ライター駐米イスラエル大使によると、男女2人は婚約間近のカップルだったという。

 当時、ユダヤ博物館ではイベントが開催されていた。米国ユダヤ人委員会(AJC)はホームページで、22歳から45歳までの「ユダヤ人の若いプロフェッショナル」と首都ワシントンの外交官らが集まるイベントだと説明している。

 AJCは事件後にX(ツイッター)に投稿した声明で、「会場の外で言語道断の暴力行為が行われたことに衝撃を受けている」と述べた。「何が起こったのか警察からの正確な情報を待っているところだが、私たちの関心と心は、被害に遭われた方々とそのご家族に向けられている」とした。

 トランプ米大統領は22日未明、事件について、自身のソーシャルメディアに「明らかに反ユダヤ主義に基づく、このような恐ろしい首都での殺人事件は、今すぐ止めなければならない!」と投稿。「憎悪と過激主義は米国に存在すべきではない」とし、犠牲者の遺族に哀悼の意を表した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は22日、「凶悪な反ユダヤ主義の犯行だ」と非難する声明を発表した。各国にある在外公館の警備強化を指示したことも明らかにした。【ワシントン金寿英、西田進一郎】

毎日新聞

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