米、ウクライナへ武器供給再開と報道 パトリオットの追加供与も検討

2025/07/10 10:56 

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 AP通信は9日、複数の米政府関係者の話として、米国が一時的に停止していたウクライナに対する一部の兵器供給を再開したと報じた。トランプ大統領は9日、自身が兵器供給停止の決定に関与していなかったとした上で、防空システム「パトリオット」の追加供与も検討していることを明らかにした。

 AP通信によると、供給が再開した兵器は155ミリ砲弾や精密誘導ロケット弾など。搬送が始まった具体的な時期は不明としている。

 トランプ氏は記者団に対して9日、ウクライナへの兵器供給停止について「決定されれば私は知っていたはずだ」と述べ、自身の関与を否定した。ウクライナが切望するパトリオットの追加供与については、「ウクライナは激しい攻撃に遭い、死を防ぎたいと思っている。とても高価だが、検討している」と語った。

 国防総省によるウクライナへの一部兵器の供給停止については政権内での調整不足が指摘されている。AP通信によると、トランプ氏は、同省がホワイトハウスと事前に調整しないまま供給を停止したことについて、周囲に不満を漏らしているという。同省はヘグセス国防長官が事前にトランプ氏に相談していたともしている。

 一方、米CNNによると、ヘグセス氏はケロッグ・ウクライナ担当特使や大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を兼務するルビオ国務長官とも事前に協議していなかったという。ヘグセス氏に政権内部で協議するように進言する側近がいなかったことが背景にあるとみられている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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