少女買春事件で起訴後死亡のエプスタイン氏とは トランプ氏らと親交

2025/07/10 12:54 

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  米司法省と連邦捜査局(FBI)が7月上旬、少女らへの性的虐待罪などで起訴され、2019年に勾留中に死亡した米実業家ジェフリー・エプスタイン氏が著名人らの「顧客リスト」を保有していた証拠はないとする調査結果を公表した。右派を中心に広がっていた陰謀論を否定する内容で、「真相解明」を期待していたMAGA(マガ=トランプ米大統領の支持層)派からも不満が噴出している。

 エプスタイン氏(2019年に勾留施設内で死去)は数学教師から投資銀行のトレーダーに転身して頭角を現した。1990年代には投資会社の経営で巨万の富を築き、「不動産王」として知られていたトランプ氏とも親交を深めた。米ニューヨーク州やフロリダ州にある大豪邸やカリブ海にあるバージン諸島に所有する島で、著名人や若い女性を招いてパーティーを楽しむことで知られていた。

 19年7月6日、パリからプライベート機で米国に戻ったところを逮捕され、8日にニューヨーク州の連邦地検が起訴した。起訴状によると、02~05年に未成年の少女ら数十人に現金を払って性的関係を持ったほか、一部の少女には別の少女を紹介させていたとされる。

 08年にも多数の少女への性犯罪で起訴されたが、司法取引の結果、自身による1件の買春のみを認める形で他の重い罪の容疑は不問とされた。

 当時の捜査は、05年に14歳の少女に数百ドルを払って性的マッサージをさせた疑いが端緒となった。数年にわたって捜査が継続し、少女ら数十人への買春や売買春のあっせんなどの容疑で終身刑に問われる可能性もあった。

 エプスタイン氏は英国のアンドルー王子とも交友関係があった。アンドルー王子は22年、米国で性的虐待疑惑を巡る訴訟を抱えていたことから、軍の肩書や王室を代表して務める団体などの後援者の地位を返上した。ただ、エプスタイン氏による少女への一連の性的虐待事件への関与は否定している。

毎日新聞

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