トランプ氏「書簡で取引は終わった」 関税交渉打切り示唆で圧力か

2025/07/15 09:38 

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 トランプ米大統領は14日、「取引(ディール)は既に成立している」と述べ、8月1日以降の新たな関税率を示した書簡を送付したことで、各国との関税交渉は終了したとの認識を示した。ただ、実際には日本や欧州連合(EU)などとの間で協議は続いており、交渉を有利に運ぶための圧力とみられる。

 ホワイトハウスで記者団に「書簡が取引だ。もう交渉すべき取引はない」と明言し、日本などに一方的に送りつけた書簡が、関税交渉に関してトランプ政権が下した結論だとの認識を示した。ただ、「彼らは違う種類の取引を望んでいる。EUを含め、我々はいつでも話し合いに応じる」とも述べ、各国との協議を続ける考えも示した。

 トランプ氏は「相互関税」上乗せ分の停止期限を、7月9日から8月1日に延長する大統領令に署名。関税交渉が難航している日本やEUなど25カ国・地域に対し、同日以降に適用する新たな関税率を書簡で通知した。自動車や鉄鋼・アルミニウムなど国家安全保障上のリスクを理由にした「分野別関税」以外の全ての輸入品が対象で、関税率は日本に対して25%、EUに対して30%など、書簡を受け取った各国・地域にとっては受け入れがたい高水準となっている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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