トランプ氏「露の取引国に100%関税」 50日以内の停戦合意要求
トランプ米大統領は14日、ウクライナ侵攻を続けるロシアについて、50日以内にウクライナとの停戦交渉で合意しなければ制裁を科すと表明した。ロシアと取引する国に100%の関税を課す「2次関税」を実施するという。ロシアから大量の原油を輸入している中国やインドなどが対象になるとみられる。ウクライナには、他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国が、米国製兵器を購入して送る形で武器を追加供与すると明らかにした。
ホワイトハウスでNATOのルッテ事務総長と会談した際、記者団に公開された場で語った。トランプ氏はウクライナでの戦争の早期終結を目指し、ロシアのプーチン大統領と6回にわたって電話で協議してきた。しかし、停戦交渉で強硬姿勢を崩さないプーチン氏への不満を募らせ、圧力を強化する方針に転じた。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「50日以内に取引できなければ、100%の関税を課す。2次関税と呼ばれるものだ」と明言。「2次関税は極めて強力だ」とも述べ、十分な威力を発揮するとの認識を示した。
米国の対露貿易は経済制裁の結果、既に激減しており、高関税を課すことができる輸入品が残っていない。だが、2次関税により、中国やインドがロシアからの原油購入を控えるようになれば、ロシアは戦費に充てている重要な収入源を失うことになる。トランプ氏は今年3月にも、ロシア産の原油を購入する国に対して2次関税を発動する考えを示していた。
トランプ氏は他のNATO加盟国と連携し、ウクライナへの支援を強化する方針も示した。トランプ氏は「我々は、米国が武器を送り、欧州がその代金を支払うという合意に達した。米国はいかなる支払いもしない」と発表。NATOの加盟国が米国から数十億ドル相当の軍事装備品を購入し、ウクライナが受け取ることになると説明した。装備品は「速やかに戦場に配備される」との見通しを示した。
ルッテ氏は「ウクライナは、防空だけでなく、ミサイルや弾薬など大量の軍事装備品を手に入れることになる」と語った。
ただし、米国からウクライナに送る武器の詳細は会談の公開された部分では明かされなかった。米ニュースサイト「アクシオス」は、首都モスクワなどロシア領の奥深くにある目標を攻撃できる長距離ミサイルが含まれる可能性があると報じている。攻撃用兵器が送られることになれば、事態がエスカレートすることを避けるために防御用兵器だけを提供してきたトランプ政権の大きな方針転換になる。
ウクライナからの強い要望を受けて追加供与する考えを示していた防空システム「パトリオット」については、「数日以内に数基がウクライナに到着する」と述べた。NATO加盟国が所有しているパトリオットがウクライナに届き、その分は米国からのもので補充する形でNATOと調整していると説明した。
ルッテ氏は、合意の発端はトランプ氏との10日の電話だと明かした。トランプ氏から「ウクライナがロシアから自身を守るために必要なものを提供したいが、費用は欧州諸国が負担してほしい」という話があり、「完全に論理的だ」として受け入れたという。現時点では、ドイツ▽フィンランド▽デンマーク▽スウェーデン▽ノルウェー▽オランダ――が協力する意向を示しているという。【ワシントン西田進一郎、大久保渉】
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