イラク国会議員選 スダニ首相のシーア派政党連合が最大勢力に

2025/11/18 18:08 

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 イラク選挙管理委員会は17日、国会議員選(定数329、任期4年)の最終結果を発表した。スダニ首相が率いるイスラム教シーア派の政党連合「復興開発連合」が46議席を獲得し、最大勢力となった。今後、各勢力間の協議を経て次期首相を選出する。

 選管によると、投票率は56%で、過去最低だった2021年の前回選(41%)を上回った。同じくシーア派のマリキ元首相の政党連合「法治国家連合」は29議席を獲得し、第2勢力となった。スダニ氏は続投を目指しているが、次期首相の選出には数カ月かかる可能性もある。

 イラクはこれまで、米国やシーア派大国イランの勢力争いの場となってきた。だが、23年10月にパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘が始まったのを機にイスラエルがイランや周辺国の親イラン武装組織を攻撃したため、イランの影響力に陰りが出ている。スダニ政権は米、イラン両国とも一定の関係を維持してきたが、中東情勢が激変する中、新政権は難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。

 イラクは国民の約6割がシーア派で、宗派に基づき投票する傾向が強いとされる。象徴的存在である大統領はクルド人で、行政権を握る首相はシーア派、国会議長はスンニ派から選出するのが慣例となっている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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