やまない中国の日本批判、国連も巻き込み 今度は安保理会合で

2025/12/16 10:11 

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 中国の傅聡国連大使は15日、安全保障理事会の会合で、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を「戦後の国際秩序への直接的な挑戦」に当たると批判し、改めて発言の撤回を求めた。これに対し、日本の山崎和之国連大使は「根拠に欠ける発言」だと遺憾を表明し、台湾問題について対話を通じた平和的解決を期待するとの従来の説明を繰り返した。

 中国は国連のグテレス事務総長宛てに、高市氏の発言撤回を求める書簡をこれまで2度送付し、国連を舞台に情報戦を展開する。日本も反論の書簡を理事国などに回覧するとともに、ソーシャルメディアでも公表するなど、自国の立場の説明に努めてきた。

 この日の安保理会合は、国際の平和と安全の維持をテーマに、理事国以外の国も参加する公開討論の形式で行われた。傅氏は会合で演説の3分の1近くを日本批判に割き、高市氏の発言について「国連憲章の目的と原則に反し、アジアと世界の平和に深刻なリスクをもたらす」などと主張した。

 一方、山崎氏は「中国の発言は加盟国の分断を招き、国連の未来に向けた建設的議論の場で不適切かつ無関係なものだ」と指摘。中国の主張は「完全な誤解」だと強調し、「意見の相違は対話を通じて解決されるべきだと考える」と冷静な対応を呼びかけた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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