豪首相、ヘイトスピーチ規制強化へ シドニー銃撃受け「災厄と闘う」

2025/12/18 17:31 

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 オーストラリア東部シドニーで、ユダヤ教の祭典を祝う集会を狙った銃乱射事件が起きたことを受け、アルバニージー首相は18日、ヘイトスピーチの規制を強化する方針を明らかにした。

 アルバニージー氏は記者会見で「豪国民も、私も怒っている。邪悪な災厄と闘うため、より多くのことをすべきなのは確かだ」と述べ、「憎悪や分断を広める者」を厳しく取り締まると述べた。

 豪公共放送によると、憎悪や暴力を助長する宗教指導者らへの罰則を強化するほか、ネット上の脅迫や嫌がらせについても、ヘイトが動機であれば、量刑を重くする方針という。

 また内相には、憎悪を拡散する外国人に対する査証(ビザ)の取り消しや、発給拒否ができる権限が付与される予定だ。

 事件では、過激派組織「イスラム国」を信奉する親子がユダヤ人ら15人を射殺した。

 事件を巡っては、パレスチナ自治区ガザ地区の人道危機を背景に反ユダヤ主義が高まっていたにもかかわらず、政府の対応が不十分だったとして、ユダヤ人コミュニティーから批判が上がっていた。

 アルバニージー氏は「首相として責任がある」と述べ、教育現場で反ユダヤ主義を防ぐための特別チームを設置する方針も示した。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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