ミャンマーの軍事政権は、拘束が続く民主派指導者アウンサンスーチー氏（８０）について、「健康状態は良好」と発表した。ロイター通信が、軍政の１６日発表の声明として報じた。しかし、写真などは公開されておらず、詳細は依然として不明なままだ。

　軍政は２８日から総選挙を強行する予定で、国内外で知名度の高いスーチー氏の健康不安説を払拭（ふっしょく）し、批判をかわす狙いがあるとみられる。

　スーチー氏の安否は長く不明で、民主派の「国民統一政府」も連絡が取れないと明らかにしていた。スーチー氏は２０２１年２月のクーデター直後に拘束され、汚職などの罪で有罪判決を受け、刑務所に収監された。高齢であることから、健康状態が懸念されている。

　次男のキム・エアリスさんは「亡くなる前に母に一度会いたい」と早期解放を訴えてきた。１５日に日本記者クラブで開いた記者会見では、総選挙を「いんちきだ」と非難し、国際社会に受け入れないよう求めた。【バンコク武内彩】