「生き残りをかけた問題」 韓国、抜け毛治療薬の公的保険適用を検討

2025/12/18 15:28 

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 韓国政府が抜け毛の治療薬を公的医療保険の適用対象とするよう、本格的な検討を始めた。李在明(イ・ジェミョン)大統領が政府の会議で「昔は(抜け毛治療を)美容と考えたが、最近は(抜け毛は)生き残れるかどうかの問題だと受け止められている」と強調。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)保健福祉相に対応を指示した。

 韓国メディアによると、これを受けて関連の商品を扱う企業の株価が急騰した。

 韓国では現在、一部の疾病を除いて抜け毛治療は保険適用外。抜け毛治療を保険適用する国は、世界的にも珍しいとみられる。

 外見を重視する傾向があり、整形手術も盛んな美容大国・韓国では、以前から抜け毛対策が重視されてきた。

 就職や結婚に影響すると考える人も多く、韓国メディアによると、2020年~24年6月に抜け毛治療を受けた人は約111万人。総診療費は1910億ウォン(約201億円)に達した。

 保険適用になれば治療費がさらに膨らみ、政府にとって多額の財政負担となる恐れがある。李氏は鄭氏に対し「(保険適用すれば)どのくらい費用がかかるのか。財政的に負担になるなら回数制限をすればいいのか。検討してほしい」と述べた。

 一方、野党からは、来年6月の統一地方選を見据えて「票を意識したものだ」(改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)代表)といった反発が出ている。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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