ラトニック米商務長官が虚偽説明か エプスタイン氏疑惑で追及の矛先

2026/02/10 18:06 

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 ラトニック米商務長官に対し、野党・民主党の議員を中心に辞任を求める声が上がっている。少女らへの性的虐待罪などで起訴され2019年に死亡した実業家エプスタイン氏との関係について、虚偽の説明をした可能性が浮上したため。エプスタイン氏との関係を巡ってトランプ大統領だけでなく、側近の主要経済閣僚にも追及の矛先が広がっている。

 ◇去就問題は対米投資計画にも影響か

 ラトニック氏は昨年の「トランプ関税」引き下げを巡る日米交渉の際、赤沢亮正経済産業相が良好な関係を築いて合意につなげた。現在は日本の対米投資5500億ドル(約85兆円)計画の投資先を推薦する委員会の議長を務めており、その去就は日本に影響を与える可能性がある。

 米メディアによると、米司法省が1月末に開示したエプスタイン氏に関する300万ページ以上の資料のうち、250以上の文書でラトニック氏の名前が登場する。エプスタイン氏の所有するカリブ海の島を訪問する予定や企業への共同投資を示す文書が確認されたほか、住居が隣接していた時期もあり、2018年まで少なくとも13年間やり取りを続けていたことがうかがえるという。

 ただ、ラトニック氏は、昨年10月に出演したポッドキャストで、05年にエプスタイン氏と面会した際のやり取りに嫌悪感を抱いたとして、その後は関与していないと説明していた。

 ◇与野党から辞任求める声

 このため民主党の下院・上院議員からは「うそをついていたことは明らかだ」、「判断力や倫理観に深刻な懸念を抱かせる」などとして、辞任や解任を求める声が強まっている。

 エプスタイン氏を巡る一連の文書の全面公開を求めてきた与党・共和党のマッシー下院議員も今月8日、米CNNのインタビューで「多くの説明責任を問われるべきだ。率直に言えば、辞任すべきだ」と主張した。

 エプスタイン氏を巡る疑惑は米国だけでなく欧州の政財界などを揺さぶっており、英国では親密な関係が疑われた前駐米大使が解任されたことで、スターマー首相に対する退陣圧力が強まる事態にまで発展している。

 ラトニック氏とエプスタイン氏との関係について、商務省の広報担当者は米メディアに「ごく限られた交流があっただけだ」などと回答したが、騒動の行方が注目されそうだ。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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