「短期決戦」のつもりが泥沼化 見通し甘かった過去の紛争の例は?

2026/03/06 18:41 

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 米・イスラエル軍によるイラン攻撃は6日で7日目を迎えた。多くの指導者は「短期決戦」を狙って戦争を始めるが、結果的に泥沼化してしまうケースは歴史上、珍しくない。

 2003年のイラク戦争では、米英軍は空爆と地上軍の侵攻で開戦から約3週間で首都バグダッドを制圧し、フセイン政権は崩壊。米国のブッシュ(子)大統領は戦闘の終結を宣言した。

 しかし、宣言後もイラク国内の治安は安定せず、抵抗運動や宗派間の対立が激化し、事態は泥沼に。米軍は治安維持のため駐留を余儀なくされ、戦争は長期化した。

 01年9月の米同時多発テロを受けて攻撃したアフガニスタンでは、約2カ月でイスラム主義組織タリバンの政権を打倒したが、その後の統治に失敗。21年にバイデン政権が米軍を撤退させた後、タリバンが再攻勢を強め、首都カブールを制圧して政権に復帰し、米国の「テロとの戦い」は事実上不発に終わった。

 11年のリビア内戦は、北大西洋条約機構(NATO)の介入により42年続いたカダフィ独裁政権を倒した。しかしその後の復興や治安維持に失敗し、現在も混乱が続く。

 オバマ大統領は介入自体は「正しかった」とする一方、その後の無計画ぶりは在任中最大の失敗だったと認めている。

 22年に始まったウクライナ侵攻でも、ロシア軍は当初、首都キーウを標的とし短期間の終結を狙っていたとみられる。

 だが、欧米の軍事支援を受けたウクライナ側が激しく抵抗し、戦況は広範囲で膠着(こうちゃく)。侵攻開始から丸4年が過ぎたが、停戦への道筋は見通せていない。

 今回のイランへの攻撃についても、初期の軍事目標と出口戦略の不明瞭さから戦闘の長期化を懸念する声は根強い。

 これに対し、ヘグセス米国防長官は03年のイラク戦争を念頭に、「これはイラクではない。終わりなき戦争ではない」と強調している。【飯田憲】

毎日新聞

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