経済政策、安全保障…「国民に信問う」 異例づくしの選挙戦へ

2026/01/23 17:36 

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 衆院は23日の本会議で解散された。政府は臨時閣議で「27日公示、2月8日投開票」とする衆院選日程を正式に決定した。解散から衆院選の投開票までは16日間と戦後最短で、選挙戦が事実上スタートした。

 高市早苗首相(自民党総裁)は19日の記者会見で解散に踏み切った理由について、政権発足に伴う経済政策や安全保障政策など「重要政策の大転換」を挙げた。自民と日本維新の会が昨年10月に連立政権を樹立し「連立政権の枠組みも変わり、国民に正面から問いかける道を選んだ」などと説明した。首相にとって初の解散・総選挙で、政権の信が問われる。

 通常国会冒頭での解散は、12月召集だった1966年の佐藤栄作首相による「黒い霧解散」以来60年ぶりで、国会法改正で1月召集となった92年以降の通常国会での冒頭解散は初めて。1月の解散は、90年の海部俊樹政権以来36年ぶりで、異例づくしの解散・総選挙となる。与野党は小選挙区289、比例代表176の計465議席を争う。

 首相は獲得議席目標について「与党で過半数を目指す」とし、「私自身も首相としての進退をかける」と明言した。報道各社の世論調査で、内閣支持率は6~7割台と高い一方、自民支持率は3割前後にとどまっている。さらに長年、選挙協力で自民候補を下支えしてきた公明党が連立を離脱し、立憲民主党と新党「中道改革連合」を結党したことで選挙情勢の予測は難しくなっている。

 衆院選では、首相が看板政策に掲げる「責任ある積極財政」の是非や、飲食料品の「2年間消費税ゼロ」など物価高対策を含む経済政策が主な争点となる見通し。

 首相は衆院選で、2026年中の安保関連3文書の改定や、防衛装備品の輸出を非戦闘目的に限定する「5類型」の撤廃のほか、外国人による住宅や土地取得を把握するためのルール整備、外国勢力のスパイ行為を取り締まる法整備など保守色の強い政策を訴え、支持拡大を図る方針だ。

 野党第1党の中道は「生活者ファースト」を掲げ、今年秋からの恒久的な「食料品消費税ゼロ」の実現や、中・低所得者の負担軽減を目的とした「給付付き税額控除」の創設を主張する。企業・団体献金の規制強化なども公約に盛り込み、「政治とカネ」問題の争点化も狙う。国民民主党や参政党など昨年の参院選で党勢を拡大した政党の動向にも注目が集まりそうだ。共産党、れいわ新選組、日本保守党、社民党、チームみらいの各党も準備を進めている。

 解散後、首相は首相官邸で記者団に「高市内閣が掲げている責任ある積極財政、安全保障政策の抜本的な強化など新たな国造りを進めてよいのか、国民に直接問いたい。政権枠組みの変更、その下での重要な政策転換は、総選挙によって信任をいただいた上で力強く進めたい」と述べた。

 中道の野田佳彦共同代表は国会内で記者団に「生活者ファースト、平和主義をしっかり訴えて、多くの皆さまにご賛同いただけるように全国を走っていきたい。中道の政治が日本の政治の主流に位置づけられるような(議席の)規模感を期待する」と政権交代を訴えた。【畠山嵩、原諒馬、池田直】

毎日新聞

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