関東・東北豪雨10年 鬼怒川の堤防決壊現場で遺族らが追悼

2025/09/10 17:05 

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 2015年の関東・東北豪雨で茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊してから10日で10年を迎えた。決壊現場では神達(かんだつ)岳志市長や住民ら約30人が犠牲者を追悼。花を手向け、黙とうをささげた。

 豪雨で夫の要也(かなや)さん(当時71歳)を亡くした栗田千代子さん(83)も現場で黙とうした。自宅に戻ると「お父さん、行ってきたよ」とつぶやき、「10年たって参加者は減ったが、忘れずに開催していただけるのはありがたい」と語った。

 神達市長は取材に「10年で行政と地域の結びつきは強くなったが、防災に終わりはない。次の水害が必ず来るという思いで取り組みたい」と話した。

 豪雨では宮城、茨城、栃木3県で8人が死亡。総面積の約3分の1が浸水した常総市では2人が犠牲となり、13人が災害関連死と認定された。

 鬼怒川の水害を巡っては、国による河川管理に不備があったとして被災住民らが賠償を求めて提訴。1、2審とも国の責任を一部認める判決が出ており、最高裁で係争中。【酒造唯】

毎日新聞

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