警察庁、佐賀県警を特別監察へ 科捜研のDNA型鑑定不正巡り

2025/10/02 12:14 

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 佐賀県警の科学捜査研究所の職員(懲戒免職)によるDNA型鑑定の不正を巡り、警察庁の楠芳伸長官は2日の定例記者会見で、同県警に対する特別監察を8日から始めると明らかにした。

 特別監察では、警察庁から首席監察官や科学警察研究所の専門家らを派遣。DNA型鑑定の実施体制のほか、今回の不正の原因究明と再発防止策などを確認し、必要な指導、監督をするとしている。

 会見で楠長官はDNA型鑑定について「警察が取り組む客観証拠に基づく適正捜査の重要な柱の一つで、信頼確保は極めて重要」とし、「佐賀県警の事案はDNA型鑑定への信頼を損なうもので重く受け止めている」と述べた。

 佐賀県警への特別監察の結果を踏まえ、他の都道府県警でも順次監察を実施する考えも示した。

 佐賀県警は9月8日、科捜研の男性技術職員がDNA型鑑定を巡り、実際にはしていない鑑定を実施したかのように装って報告するなど7年以上にわたり130件の不正行為をしていたと発表。同日付で懲戒免職処分とし、虚偽有印公文書作成・同行使や証拠隠滅などの容疑で書類送検していた。【深津誠】

毎日新聞

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