国内のイスラム教徒、20年で3.8倍 摩擦生まぬために必要なこと
福岡市東区にあるイスラム教徒(ムスリム)たちが通うモスクの前で9月、保守系の政治団体がムスリムらに対し「日本から出て行け」などと声を荒らげ、それを批判する人たちも集まって激しい応酬となった。日本に住むムスリムが年々増加する中、専門家は、行政が摩擦をなくすよう施策に取り組むとともに、ムスリム側からも情報発信する必要性を提言する。
騒動は、交流サイト(SNS)で拡散した動画がきっかけだった。6月7日にモスク近くの公園であったムスリムらの礼拝の様子で、モスクを運営する法人は、公園を管理する東区に公園使用の事前許可を取っていた。だが、想定以上の人数が集まり、許可範囲を越えて公園を使う結果になった。
区によると、SNSを見た人たちから問い合わせや抗議が相次いだが、地元住民からは寄せられなかった。地元自治会もモスク側から経緯の説明を受け、特段問題視していない。
日本に住むムスリムの数は近年どう推移しているのか。
早稲田大名誉教授の店田(たなだ)広文さんらの調査「日本のムスリム人口」によると、国内のムスリムは2024年末時点の推計で約42万人で、日本の総人口に占める割合は約0・3%にあたる。前年比で約7万人増え、約20年前と比べると3・8倍となった。労働力不足に伴う国の外国人受け入れ施策の下で、技能実習生らが増えていることなどが理由だ。
国・地域別で最多はインドネシアの約20万人で、バングラデシュ約3万5000人▽パキスタン約3万人▽マレーシア約1万2000人▽トルコ約8000人――と続く。モスクの設置も進み、25年7月時点で全国に約160カ所ある。
国内のムスリムは今後急増する可能性があり、店田さんは「さらに身近な存在になるのは間違いない」と話す。
こうした中で福岡市で起きた騒動について店田さんは「地域ではムスリムと住民がコミュニケーションを取って関係を築けていても、離れた地域の人がムスリムをよく分かっていない場合がある」と指摘し、誤解や不安解消のため行政も協力しながらムスリム側が積極的に情報発信する必要性を指摘する。
一方で「外国人は単なる労働力ではなく宗教や文化などさまざまなバックグラウンドを持つ生活者だ」と強調。ムスリムになじみのない人が多い現状を踏まえ、「地域で摩擦が生じないよう国は生活者として受け入れていく施策を強化すべきだ」と訴える。【平川昌範】
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