大川原化工機冤罪 警察の正義に向けられた「市民の疑心」の重み
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件の捜査を巡り、検察審査会が「不起訴不当」と議決した警視庁公安部の捜査員3人(当時)に対する虚偽有印公文書作成・同行使容疑について、東京地検は23日、再び不起訴処分とし、刑事告発に対する捜査を終結した。民事訴訟では違法捜査が認定されたが、刑事事件として個人の責任が問われることはなくなった。
◇不起訴は免罪符ではない
大川原化工機への捜査を指揮した警視庁公安部の警部(当時)らを再び不起訴処分とした東京地検の判断は、裁判で有罪とする確証が得られなかったためだ。検察審査会という「市民の目」が、警察の正義に疑いを向けたことの重みが消えるわけではない。
事件はでっち上げではないか――。大川原化工機が起こした国賠訴訟で現役警察官から「捏造(ねつぞう)」証言が飛び出し、その可能性が現実味を帯びた。東京都と国は1、2審と敗訴を重ねた。2審判決は「容疑の成立に関する判断に基本的な問題があった」と踏み込んだ。
警察、検察は謝罪と検証を余儀なくされた。それでも両者の報告書は事件の捏造を否定した。あくまで「チェック機能が働かなかった」という結論だ。これに対し、検察審は疑心を抱いた。議決で警視庁の捜査を「立件ありき」と批判し、虚偽の公文書が作成されたと断じた。結論こそ「不起訴不当」だったが、言葉つきは「起訴相当」に限りなく近かった。
治安を守る警察と司法の一翼を担う検察。どちらも国民の信頼なしには成り立たない。捜査終結に際し改めて心に刻む必要がある。不起訴は免罪符にはならない。【北村秀徳】
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