自身が代表を務める広告会社の法人税など約１億５７００万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、インスタグラムを中心に「宮崎麗果」として活動する黒木麗香社長（３７）を法人税法違反などの疑いで東京地検に告発したことが関係者への取材で判明した。大衆の消費行動に影響を与える「インフルエンサー」として収入を得ていたが、会社の所得を３年間で５億円近く過少申告した疑いがある。

　黒木社長は、美容関連の写真や動画を多数投稿し、幅広い世代の女性から人気を集める有名インスタグラマー。フォロワーは約４７万１０００人に上る。

　関係者によると、黒木社長の投稿には美容関連商品のＵＲＬが張られ、そこから商品が購入されると、商品ＰＲの依頼主から社長を務める広告会社「Ｓｏｌａｒｉｅ（ソラリエ）」（東京都渋谷区）に成果報酬が支払われる仕組みだったという。「アフィリエイト広告」と呼ばれるビジネスで、査察部は法人としてのソラリエも法人税法違反などの容疑で告発した。

　黒木社長は２０２１、２３、２４年の確定申告で、架空の業務委託費などを計上してソラリエの所得約４億９６００万円を圧縮。法人税など約１億２６００万円を免れた疑いがある。また、２２年２月～２４年１月には、ソラリエが支払うべき消費税を適正に納めず約３１００万円を脱税した疑いもあるという。

　黒木社長は２４日、インスタグラムで「（国税局からの）過少申告のご指摘を重く受け止め、深く反省している。必要な修正申告および納税に速やかに対応する」とコメント。その上で、「日ごろより応援してくださっている皆さま、ならびに関係者の皆さま、多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深く陳謝申し上げます」とした。

　また、査察部は黒木社長の脱税の手助けをしたとして、東京都港区の男性会社役員（５２）と神奈川県大和市の男性会社役員（４４）も法人税法違反ほう助などの容疑で地検に告発した。ソラリエの架空の業務委託費の計上に関して、うその領収書を交付するなどした疑いがあるという。【佐藤緑平】